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銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツ(ROHEISEN-NETZ/roheisen.net)

銑鉄網と書いてローアイゼン・ネッツと読む。皇紀2709年4月1日にサービス提供を開始した、全く新しい方法論の大規模コミュニティのこと。銑鉄網は本格的なバーチャルリアルスペース規格になっており、オブジェクトに対して全ての物理法則(運動法則、電磁界効果、熱化学反応など)が確率的に適用される。

特筆すべきは自我を持つAIの存在である。銑鉄網において彼らは人間という生物が持つ機能全てを物理的にシミュレートすることで成り立っているため、それぞれ固有の人格として振舞うことが出来、見た目上通常の人間との差異は全く無い。彼らはネイティヴと呼ばれる。

更に、物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトではコスト上の問題で建造が困難な巨大ロボット「 | アイゼン」が当たり前のように存在しており、日々その力を競っている。

他にも、通常習得困難なAXS | アクセス能力、いわゆる超能力に覚醒する可能性が銑鉄網では非常に高く、一度習得した能力はその0.1%程度を物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトで行使することができるようになるという特徴がある。

使用されている言語は主にドイツ語、日本語、英語の3つ。自動翻訳機Ko-To-No-Ha | コトノハがあれば会話には困らないが、紙や看板に書かれた文章までは訳してくれないのでそれぞれの国家で主に使用されている言語には少々注意が必要となる。

銑鉄網の維持費は広告料とユーザの年間使用料、フロントラインベースの売り上げ、両界をまたぐ商品の代理販売手数料などで賄われる。

開発・管理はダッツ社が行っており、ドイツ、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、ブラジルなどにサーバがある。

操作インターフェイスとなる銑鉄網接続クライアントには大別してグレードが二つあり、上位版が人馬一体 | ツェンタウル、廉価版が手綱 | ツューゲルと呼ばれる。更にそれぞれハードウェア構成ごとに2種類あり、全部で4種類の接続クライアントが存在する。これらは用途や予算に応じてそれぞれ普及が進んでいる。

銑鉄網の動作プログラムは、元々は重度の危険が予想されるあらゆる実験の事前シミュレートをこなすために開発されたもので、初期の名称をディー・エルデという。

物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルト(körperliche Welt)

物理界と書いてケルパーリヒェ・ヴェルトと読む。銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツと対になる言葉で、いわゆる現実世界のこと。現実世界(レアレ・ヴェルト)と呼ぶとネイティヴが架空の存在という意味に聞こえるため、そこのところを配慮してこのような呼び方になっている。

しかしそのような便宜上の呼び名は口語ではあまり浸透しておらず、単に「上」とか「外」とか「あっち側」「こっち側」と表現されることが多い。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの法律

基本的には物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトと同様、国家の立法機関で定められる。

国際法はR.E.N.I.N.C.で国家間の話し合いが持たれ、戦争のルールについては国際戦争協定が定められている。この協定に則って戦争行為が行われる限りは、民間人に死傷者は出ない。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの経済

基本通貨はマルク。かつてのドイツマルクの貨幣価値を参考に制定されているが、直接の繋がりは無い。アイゼンマルクとも呼ばれる。

現実世界と変わらず、税収が国家のメイン収入となる。その他に、フォーリナを国民に加えた場合にアルトシュタット総合銀行から支給される導入援助金がある。

地道にフォーリナからの税収益を増やすために福利厚生を充実させる方策も講じられている。

2710年4月現在、 | アイゼンの質では銑鉄千年帝國、福利厚生ではローアイゼン連邦王国がトップの評価を得ている。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツでは導入援助金と新規フォーリナの所持金により流通貨幣が増えていくため、常にインフレがち。

アイゼンマルク(Eisen Mark)

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの統一通貨。価値基準としてかつてのドイツマルクが参考にされているが、アイゼンペニヒは存在せず、代わりに0.01アイゼンマルクなどの小数単位が通用する。

アイゼンマルクの小数桁は、整数桁と合わせてアルトシュタット総合銀行が定めるシステム上限桁数まで細かくすることが可能である。これはアイゼンマルクに銀行券や硬貨が存在しないことによる。つまり全てのアイゼンマルク通貨はアルトシュタット総合銀行の口座上だけに存在し、各個人が持つ財布を通じて流通する。

厳密には当初アイゼンマルク紙幣というものが存在したのだが、財布を使用した自動決済機構の整備が進むにつれて回収されていったため、今は殆ど残っていない。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツに存在する国家は物理的領地を持たないため、物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトにおいては法的に一国家として認められていない。そのため、銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツで独自に流通するアイゼンマルクも物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトにおいては法定通貨になり得ない。しかし世界有数の企業であるダッツ社外貨両替保証がつくことによって、ある種のクレジットとしては最も信用の高いものとなり、通貨に準ずる準通貨としての扱いを受けている。

アイゼンマルクを口座上の通貨として取り扱い可能な金融機関は、物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトにおいてはアルトシュタット総合銀行のミュンヘン支店だけである。しかしアイゼンマルクを商材とした取引は世界各国で行われているため、事実上の変動為替相場が成立している。

一般にアイゼンマルクそのものでは物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトに存在する物品を購入出来ないため、銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツ一般開放当時のアイゼンマルクの相対価値は外貨に比べて非常に低いものであった。しかしそれゆえに外部から見れば物価が非常に安く、フォーリナ達が頻繁にアイゼンマルクへの両替を行ったため、市場原理で2710年4月現在のアイゼンマルクの通貨価値は当初の3倍まで向上している。

アイゼンマルクの価値向上は銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツにおけるフォーリナによる消費を抑え、その一方でネイティヴ物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトにおける消費を増大させる。現在多くのネイティヴ達の至上目的はフロントラインベースの入手及び物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトへの進出であるため、相対的に物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトの物価を引き下げるこの動向は、目的に合致するものと言える。

尚、2710年現在ドイツマルクや兌換マルクは流通していないため、単にマルクと言ったらアイゼンマルクのことである。

外貨(Ausländische Währung)

ドル、ユーロ、円などに代表される物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトの法定通貨のこと。いわゆる現金。物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトの商材に対する絶対価値基準であり、購入のために必要になるものであるが、近頃ではアイゼンマルクでの支払いを認めるクレジット会社も増えてきている。

財布 | ポルトモネー(Portemonnaie)

サイフとキャッシュカードとATMをくっつけて小型化したような機械装置。

アルトシュタット総合銀行の口座にリンクして、残高・借入・被請求確認、口座振込、請求書送付、自動決済などの機能を使用できる。アイゼンマルク通貨にはオブジェクトとしての実体が無いため、銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツにおいてはこの財布 | ポルトモネーで全ての決済を行う。つまり商品取引を行うには財布 | ポルトモネーを自動決済機に通して支払うか、口頭契約に従って相手の口座に振込むか、請求書を認可して決済するかのいずれかになる。

常に口座丸ごとの財産を持ち歩くのは危険なように思えるが、実際はそれほどでもない。使用の際には必ず遺伝子認証が行われる仕様になっているため、誰の財布 | ポルトモネーを拾っても自分の口座にしかアクセスできないのである。ただし、一卵性双生児の場合は遺伝子認証で区別できないので網膜や指紋等、他の認証を同時に行う必要がある。

財布 | ポルトモネー本体は主に神機重工製で、紛失時には後払いで購入が可能となっている。近頃のものは携帯端末と一体化しているものも多いが、遺伝子認証機能の信頼性の高さからやはり神機重工製の物が手堅く売れている。

導入援助金(Induktion Bewilligung)

フォーリナR.E.N.I.N.C.加盟国家に戸籍登録を行うと、国家にはアルトシュタット総合銀行から導入援助金が支給される。これは銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの経済活性化のためにダッツ社が実行している経済政策である。

フォーリナ銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツクライアントを購入すると、ダッツ社はユーザ専用の口座を開設してクライアント導入費の1割を振り込み、3割を導入援助金として同口座の特別枠にストックする。フォーリナが国家に戸籍登録した時点でこれがその国家に落とされるわけである。

但しこの導入援助金には運用条件がある。

まず、国民となったフォーリナが求める場合に1台に限り無償で | アイゼンを支給しなければならない。代わりに、援助金によって | アイゼンを支給されたフォーリナは兵役の義務を負う。支給する | アイゼンは必ずしもフォーリナが求めるものでなくても良いが、最低条件は予め提示する必要がある。

更に、フォーリナが他国に移籍する場合、援助金から | アイゼンの実費を差し引いた金額をアルトシュタット総合銀行に返還しなくてはならない。移籍時に | アイゼンが返却された場合、公正な査定を行いその資産価値分を上乗せして返還する必要がある。ただしいずれの場合も、マイナスになっている場合は返還しなくて良い。

また、一度 | アイゼンを支給されているフォーリナを受け入れる移籍先国家は、フォーリナ | アイゼンを所持したままであれば再度支給する義務は無い。返却されていた場合、目減りした援助金を元手に相応の | アイゼンを支給する義務がある。

尚、マルクの貨幣価値が上がると、銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツクライアント導入費が元になっている導入援助金は目減りを起こす。しかしこれはネイティヴ物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトの物品を購入しやすくなる傾向なので、一般的には歓迎される。

単層企業(Einzelnes Schicht Unternehmen)

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツ物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトのどちらかだけに拠点を持つ企業のこと。両方にある場合は複層企業という。

複層企業(Doppeltes Schicht Unternehmen)

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツ物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトの両方に拠点を持ち、両面で活動する企業のこと。片方だけにある場合は単層企業という。

新天地に進出して複層企業化することを俗に「ドッペる」とも言う。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの人口

物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルト同様、交配による新生児誕生で人口が増え、死亡することで減る。それ以外にもフォーリナ銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツクライアントを導入するとその分だけ増加する。しかしフォーリナの大半は物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトにおける日常生活をないがしろにできないため、あまり長時間銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツにいない。

フォーリナの行動基盤であるインターベースのうち、アコースティック方式のものには生殖能力があり、交配が可能。田宮の法則から判るように、結果として誕生するのは自律行動可能なネイティヴオリジ・ネイティヴ)であり、育児の必要があるので注意が必要。

死亡してしまった場合、フォーリナインターベースを作り直せばよいが、独立した生物として活動しているネイティヴファントムは修復不可能。

銑鉄網 | ローアイゼン・ネッツの地理

基本的に太陽系全域の地形データが入っており、自転や公転の周期も物理界 | ケルパーリヒェ・ヴェルトとほぼ一致している。当初備え付けの建造物というものは殆ど存在せず、現在存在する建造物はネイティヴパペット、そして後から入植したフォーリナ達が自力で建造したものである。

尚、フォーリナネイティヴの視覚、聴覚が及ばないポイントの演算は、負荷を減らすため簡略化されている。そのため人類居住圏以外のシミュレートには殆どマシンパワーが割かれていない。

現在の人類の居住圏は地球、月、地球と月のラグランジュ・ポイントにあるスペース・コロニー、火星、そして2698年に発見された魔王星である。魔王星は元々太陽光線が殆ど届かないため、創世記計画 | ルシファー・プロジェクトの一環で作られた日照衛星天照を24時間周期で公転させて生活時間とカレンダーを地球標準に揃えている。このため、現在ではむしろ火星より過ごしやすい環境になっている。

主な居住域と環境条件の一覧
居住域 自転周期 生活時間 公転周期 重力 半径 表面積
地球 23時間56分04秒 24時間00分00秒 365日05時間48分46秒 1.00G 6,378km 511,185,501km2
27日07時間43分42秒 24時間00分00秒 27日07時間43分42秒 0.12G 1,737km 37,914,832km2
コロニー 01分50秒 24時間00分00秒 27日07時間43分42秒 1.00G 3km 565km2
火星 24時間37分22秒 24時間37分22秒 1年321日17時間42分26秒 0.38G 3,396km 144,925,518km2
魔王星 45時間08分48秒 24時間00分00秒 685年111日00時間32分12秒 1.25G 8,866km 987,790,741km2